昔々ある港の先のところに、黒い猫が捨てられました。漁師さんたちはその猫をクロと名付け
獲ってきた魚を分け与えてみんなで育てました。そのうち、ある釣り人がクロを連れて帰った
所まではよかったのですが、残念ながらクロは道に迷い、車に轢かれて死んでしまいました。
実はクロはその港の親分の次に強く、同じように捨てられたマドンナのシロのおなかにはクロ
の子供が3匹いたのでした。子供たちは目が見えるようになるまでに1匹目と2匹目は誰かに
拾われて行きましたが、台風の次の日、シロが突然死んでしまったのでした。漁師さんが言う
には、原因は魚の毒に当たったからなのだそうです。
残された白黒の色をした猫はどうなったのでしょう?何を食べて育ったのかわかりませんが、
すくすくと育ち、適度に人懐っこくて強い猫になったのでした。この子猫はよい釣り人の手で
育てられたのです。時にはマグロの缶詰めを開ける途中に、よい釣り人の左手を噛んでしまい、
よい釣り人の左手に深い傷を負わせました。
「ほーう、人間の血とはこのようにサラサラ流れ、キラキラ赤く光るものだな。」
よい釣り人は感心しました。
この、ちーちゃん(小猫)はよい釣り人からミルクを与えれれたり流動食を与えられたり、
胃腸の中の寄生虫を退治する薬を飲まされたり抱きかかえられたり、一緒に寝たりしました。
それだけではありません、人間の中には本性は悪人だっています。そういう人には決して懐か
ないように、時には厳しくよい釣り人は育てました。
ちーちゃんはメスです。数年後には子供を生めるようになるでしょう。それまでよい釣り人が
面倒を見ます。捨て猫たちの次世代の王様を生むに違いないと思うのでした。自然に生きている
動物は何時間見つめても目をそらしたりしません。人間だってそうです。 でもにゃあ、
もうちょっと目を開けて写真に写ってくれんかにゃあ・・・。 Facebook にも同文投稿
動物から獣の本能を全て剥奪してはならない・・・なぜならそれは生命力そのものだから。